「ねぇさっきのやつって何??」

興味津々、というように和水ちゃんが身を乗り出した。

バレたらマズイ・・・よね
あたしはともかく、七歌に迷惑かかるもん。

「なんでも良いから、千咲、教えろ」
「この状況で〜??」
「答えをそのままいえばいーじゃんか!!」


・・・多分それは、答えが『友達』だと思ってるから言えるんだよね。
やっぱ望みは無し、かぁ・・・

「・・・友達なんだろ??」
「つーかさっき言ったし〜」
「答えろって!!え、友達だろ?!」
「そーですね。もう、そーでいいよ」
「は??ちょ、何その投げやりな口調!!」

背後で七歌の叫び声が聞こえたけど、そんなの気にせず足を早めた。

――これ以上聞いたら、泣き出してしまいそうだったから。

「追い掛けて来て・・・くれるわけないよね」

期待しちゃ、ダメなのに。
改めてこの恋の末期症状を確信したあたしは、すっぱりフラれることを決意した。