奴は表立って行動することがなかった いや 許さなかった 周りの環境が 周囲の人間が「私」という像を すでに 創りあげてしまっていたから 私が不満を募らせるたび 奴の欲求は大きくなり 私が現実から目をそらそうとするたび 奴は外に出ることを望んだ 私は もう疲れた 奴を飼い慣らすことに 奴への嫌悪感は 自分自身への嫌悪感