その夜から誉木は毎日のようにメールをしてきた。
そして、木曜日の選択科目の後の休み時間…
僕は机の中に"何か"が入っていることに気付いた。
今度はラブレターじゃない…。
取り出してみると、それは可愛くラッピングされた、クッキーだった。
小さなメモに【摺月くんへ。誉木】と書いてある。
あの時の質問…こーゆうことだったのか。
僕はクッキーをポケットに突っ込み、屋上に行った。
屋上には誰も来ない。
コンクリートの地面に胡座をかいて
ラッピングのリボンを解いた。
ハートの形をしたクッキーを口に放り込み
晴れ渡る空を見上げた。
誉木は料理が上手いんだな…なんて考えながら。
それから毎週木曜日
選択科目の後は、僕の机の中にはいつも誉木の手作りお菓子が入っていた。
小さな誉木からのラブコール。
次第に、僕は誉木に惹かれていった。