言わないつもりだったのにな…。
気持ちを押し殺すなんて、僕には無理だ。
「摺月くん…もう一回言って…」
「え?」
「先生の声で聞こえなかった…」
確かに先公るせぇけどよ…。
「……す………スキ」
「じゃあこの問題集明後日集めるぞー」
山崎ぃ!!(数学教師)
「え?何て?」
「好きだって言ったんだよ!!」
教室中が静まり返った。
山崎は口をポカンと開けてチョークを落とした。
「ひ…摺月……くん」
「………あ」
しまった。
常葉も目が点になってしまっている。
こんな大胆な告白、初めてだぞ。
「……と、とりあえず来い!」
僕は誉木の手をとり教室を出た。
「摺月くん…」
「…悪い…恥かかせたな…」
「…どうして?…わたし、嬉しかったよ」
僕の後ろを歩いていた誉木は、立ち止まり
僕の背中に抱き着いた。
「わたし…っ、摺月くんの恋人に戻りたい!!」
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