「誉木、別れよう」
これが、僕が最後に誉木にしてやれること。
「…どうして?
……好きだって…言ったじゃない…!」
「…ごめん」
「わたしは…やだよ!…別れるなんて…」
「…ごめん…」
…何か、言わなきゃ…
誉木に嫌われるような…
…何か、酷いこと…
「…俺は…お前を守れなかった。
これからも、同じようなことがあるかもしれないのに…お前を守れないようじゃ、一緒にいる資格なんてない」
やっぱ、言えねーよな。
「…そんなの、守れるとか、守れないとかで決めることじゃないじゃない……」
そうかもしれない。
そうなのかもしれないけど…
僕は…怖い。
守れないことで、きみを失うことが怖い。
きみのことを心配しているようで
実は自分のことしか考えていない自分勝手な奴なんだ。
僕は。
だったら、尚更きみは僕なんかと一緒にいたらいけない。
「ごめんな…誉木…」
「……っ…さよなら…」
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