それは、選択科目を終えた、休み時間のことだった。
「ん?」
何気なしに手を突っ込んだ机の中に
"何か"があることに、僕は気付いた。
「何だ?これ…」
"それ"は、小さく折り畳まれた、可愛いらしいピンクのメモだった。
そのメモには、こんな内容が記されていた。
【わたしは、3組の誉木といいます。
唐突ですが、貴方のことが好きです。
出来れば放課後、教室に残っていてください】
随分と古風な内容だな…
じゃなくて
…人違いじゃないのか?と思った。
何故なら僕は、自慢ではないが
校内だけじゃなく、近所の高校にまで名の知れた不良だからだ。
そして、僕の前の席に座っているのは、学年一のイケメン君。
人違いだと思わないほうがおかしい。
でも、宛名は確かに"摺月玖瑠"(ヒダヅキクリュウ)と僕の名になっている。
とりあえず僕は、教室で誉木とかいう女を待ってみることにした。
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