その日から、誉木は僕の恋人となった。
僕と誉木のことは、一部の女子の間でものすごい早さで広まったらしい。
これは悪魔で噂だが、僕は例のイケメンくんの次くらいにモテるらしい。
基本女に興味がない僕は、大して嬉しくもない。
「…摺月くん、ごはんは?」
「ねぇよ。だいたい午後はフケってるし」
「わたしの、食べる?」
「…ん?『わたしを、食べる?』お前大胆な」
「ちっ、違うっ」
まぁ、基本的に腹は減らない体質なんだ。
誉木からの差し入れがある木曜はいつも最後までいる。
「…今日も、午後はいなくなっちゃうんですか?」
「ああバイト。でも帰りの時間には迎えに来るから。
一応メールくれよ、ある程度時間はわかってるけど」
「はい。頑張って下さい」
僕は誰にも見えないように誉木の頬にキスをした。
誉木は顔を真っ赤にして僕を見た。
あの日僕を押し倒してキスをしてきた誉木はどこへいったんだ?
「じゃ、またあとで」
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