低レベルな争いはなかなか終わらず。

宏海はため息をつく。

どちらも心底じゃ楽しんでいるようだから、尚更終わらない。


「あの」


声を掛けようとしたところで、そうそう、と、黒崎亮がにやりと笑った。

「仕事仲間との恋愛は禁止だから、そこのところ、よろしく頼むよ」

「えぇっ！？」

「しかし旦那様、私よくメイドに言いよられるのですが……」

「あいつらはいいんだ、お前のファンってだけだから」

「あたしは？」


「なんかムカつくから、禁止だ。少なくとも、私は邪魔する」


「はぁあーッ！？」

「煩い」


酷いと思ったところで、どうにもならない。


「けど、……もし、破ったら？」

「あぁそうだな。そのときは」