「その娘は?」

「……新しく、メイド見習いとしたく思いまして」

「あぁ……」


舐めまわすように視線がまとわりついて、みやびはぶるっと身を震わせた。

本能的に、危険を感じたらしい。

けど。


「貧乳は、あまり好みじゃないんだが……」

ぽつっと呟かれた一言に、

「黒髪なら眼鏡は必須じゃないですか……」


警戒心は何処へやら。

同じようにぼそっと言い返していた。


ちなみにどちらも、好みを押し付けてるだけだ。

宏海はというと、ふたりの間でおろおろしている。


ただようのは、奇妙な緊迫感。