叩かれたところをなでながら少年は喜び跳ね上がる。
そんなロアを見てティッキは苦笑いしながら言う。
『ロア喜ぶのはいいけど、城で下手に見つかったら大変だから慎重になってくださいね』
まわりの男たちはなんでロアなんだと文句を言う。すると部屋の隅にいたティルという男がテーブルの方にやって来て喋る。
『ロアは忍び込む事に関しては誰にも負けていないし、なにより小柄で身軽だからな。おれはいいと思うぞ。まあ冷静さはもっと欲しいが』
そう言って笑顔でロアを見つめる。ロアは苦笑いをしながら見つめ返す。
ティッキはおほんと皆の注目を戻すとまた話し始めた。
『それに他にも仕事はありますよ。もしものためと、逃げるときのために爆弾を仕掛ける予定です。もしものとき少しでもロアたちにいっている目が離れる時間を作りたいからね。それに関しては爆弾のスペシャリストであるクレイスに一任しますから必要な人員を集めて行ってください』
テーブルでぐったりしている女がうむとが頷いた。
そうしてティッキは他の人々にも配置を言っていく。
『カイム他に何かない?』
ティッキがそう聞くとカイムは再び立ち上がり話し始めた。
『さっきも言ったが今回は1つのミスが失敗や死を招く。仲間を失うこともひょっとしたら起こるかもしれない。ただあのギルガメスさえあればこの国も変わる。おれたちの悲願であった国の変革が起こる唯一の希望だ。』
周りの人々の笑顔は消え緊迫した顔立ちになる。
『あっ....そうだ。それと地図と言ったが正体は紙切れでは無いからな、ギルガメスの地図は王にうけずがれていく腕輪のことだ』
その言葉に皆おどろく。
『それは僕も聞いてなかったなあ....』ティッキも驚きに目が点になる。
その様子を見ながらカイムは不敵な笑みを浮かべ最後になる一言を言う
『ではでは皆に期待する』
皆は一斉におおと大声を上げると自分の持ち場へと走り去って行く。
皆がいなくなったデッキでカイムは窓から外を眺める。
雲の上に出たおかげでさっきまで見えなかった星々の輝きが見える。
『やっと世界を変える第1歩だ....』