幾年月が経った気がした。
この何もない世界に光り輝く者が目の前に現れた。光り輝くその姿は神々しくどこか優しさや、温もりを感じさせた。
その光り輝く者は僕に言った。『お前は生きたいか?』と。
僕は全てを忘れ停止しているはずだった思考は急激に動き出し、ただ一言の言葉が心から沸いて、そう呟いた。『生きたい』と。
光は僕を包み込むといっきに闇の世界から引きずり出す。
ふと気付くと僕は焼け野原に寝っころがっていた。目の前に無数の輝くものが写る。忘れていた久々に見る星の輝き。何も見えなかった闇の世界とは違う風景。
僕の傍にはぼろぼろになっている一人の女性が立っていた。女性は星を見ながら言う。
『どうだい、綺麗だろう。』
『世界は美しいもんだよ。例えどんなに今いる自分の世界を悲しみ、憎しんだってふと見た世界はいつだって美しくあり続けているんだよ』

僕はヴィクタになっていたのだから何かこの世界を憎しんでいたのだろう。だが今は輝く星々が見えるこの世界が愛しくて仕方がない。

僕は再びこの世界に生まれ堕ちたことを幸せに感じた。