だけどやっと約束の時が来たのね....

ロクシャーネは笑顔になって言う。
『ユリ、今すぐ城をでましょう。やっと自由になれるのですね』
そんな様子を見てユリはロクシャーネに声をかける。
『ロクシャーネ様、命を狙っているのはシュベリエ様です。城を熟知している内部の人なので気をつけて行かないといけません。なので出来る限り....』
その言葉にロクシャーネは凍りついた。
『あれ、私が抜けだすための単なる冗談じゃないの?』
ユリの言葉を途中で裂き、言う。
『残念ながら本当なのです。タウロン様は自らシュベリエ様の反逆者の仲間になり姫様を守るために行動されています』
そのことばにロクシャーネは言葉を無くした。

私は何も出来ないままで死んじゃうの....

ユリは誰か来ないか周りをきょろきょろと見渡している。
『さあ、お早く』
どうやらロクシャーネの不運はまだまだ続くようだった。