城の中でもまた祭とは関係の無い動きを見せている者たちがいた。
祭りの最中だというのにこの部屋の円卓には国の首脳陣が座っていた。
『タウロン計画はうまく進行しているのか?』白い髭を生やした老人はこの円卓で一番若いであろう男に問う。
『はい、それはもう予定通りでございます。』
周りの男達の視線はその若者であるタウロンに向けられた。
『全てはシュベリエ殿、あなたの思い通りでございます。先ほど憲兵から2人組の侵入者の情報がありました。おそらく私が撒いた情報にくらいついてきたのでしょう。これで後は姫君に消えていただくだけでございます。姫と王は城に乗り込んで来た盗賊団に殺害される。王もその継承者もいなくなったとき、そのときは国家委員長である貴方が次の王だ』
タウロンはそう言い終えるとシュベリエは満面の笑みで大声をあげて笑う。笑い声はかなり遠くの部屋まで響いてるのではないかと思わせるほどで密会の意味があるのか疑問に思わせるぐらいであった。
タウロンはふと部屋の中にいる憲兵に耳打ちし何かを命じた。それを命聞いた憲兵は早々と部屋を出て行った。
『たったいま命をだしました。これで栄光は貴方様のものです。』
そう言ってシュベリエにお辞儀をする。
シュベリエは調子が最高潮に乗ってきたのか円卓に置いてあった酒をいっきに飲み乾すとそれにつられて周りの者も飲み始め最初の緊張感は何処かに行きこの部屋は宴会状態になってしまった。
周りの者はシュベリエと今のうちに仲良くなっておけば将来は良いポストにつけると必死でシュベリエに愛想や媚を売る。
タウロンはそんな部屋からひっそりと出て行き廊下を歩いていく。タウロンの顔には笑みがこぼれる。それは先ほどの真面目な顔には似合わないほどの不気味な笑みだった。
全ては計画通りだ.....