「だって、アイも同じ方向だし~ってかどこでお風呂入ったの?今から家に帰るんでしょ?」

「………」

「友達んち?」
「…まぁね」

夏休みの平日の地下鉄には私服姿の中高生で案外にぎわってて

俺と愛美は立ったまま真っ暗な車窓に映る自分たちを眺める




愛美の降りる駅に着いて

愛美が降りて行く

「またねっ」
愛美の声を聞こえない振りをする

「まーたねーっ」
まだ言ってるし


途中電車に乗り変えて
地元の駅に着く

出口を出てまっすぐ家に向かう途中コンビニでアイスを買って食べながら歩く



「うまそーだねー」

聞き覚えのある声のする方を見上げると

瑞貴が窓から顔を出してる

「寄ってけば?」
「…やめとく」

「寄ってけよ~恋の相談は~?」
瑞貴を見上げ直して思わずニヤけてしまいそうになる
「…いらね」
「うまくいったんだ!?」

「…/////」
なんでそんなにお前は勘がいいんだよっ

「あがれよっ」
瑞貴がやっぱりニヤニヤしながら言うから俺は仕方なく瑞貴んちに入る