それにっ
後から来るかもしれないじゃんか


例え鈴子さんがいなかったとしても

せっかく誘ってもらったんだから精一杯楽しまなくちゃ



それにっ
やっぱり後から来るかもしれないし

淡い期待を胸に俺は炭を仰ぎ続ける



「鈴子来なくて残念?」
「えっ!?はい!?」
突然千絵さんに突っ込まれてドモる俺

千絵さんのサディスティックな微笑みにタジタジになってしまった俺は焦って目を泳がせる



「千絵さん!!」
武本さんが千絵さんに突っ込む


えっ…?何?
もしかしてバレてる?


「鈴子ー♪」
その時少し離れた方から歩美さんが叫んでる

えっ?鈴子さん?



歩美さんの目線の先には両手に飲み物が入ったビニール袋をぶら下げた鈴子さんが歩いてくる



俺はそれまでのテンションの浮き沈みや千絵さんにからかわれていたことなんてどうでもよくなって

鈴子さんに駆け寄っていた

「えっ何?持ってくれるの?一個でいいよ?」
「大丈夫っ」

鈴子さんからビニール袋を両方受け取って一緒に歩き出す

「元気だった?」
「うん、鈴子さんは?」
「んー…今は元気だよ」
思わず頬が緩む



鈴子さんが来たことで最低だったテンションが急上昇



はしゃぎ過ぎて気持ちがバレても構わないと思った


食べ終わって一通り片付けてしまうと

武本さんと千絵さんが少し離れた芝生に寝転がって

まったりとした空気が流れはじめた



歩美さんと鈴子さんがおもちゃのラケットでバドミントンをはじめたので

矢城君と芝生に腰掛けてバドミントンの羽根が行ったり来たりする様子を眺めていた