私は唖然としてその光景を見つめていた。

友人の言う通り、針で刺すと弾けたのだ。パンッと。それもかるーく。

友人の話しぶりからすると、これを最近、何度も繰り返しているらしい。



これ、いいな、私は純粋にそう思った。

友人の足元に転がる針を拾うと、私は迷わず自分のこめかみに突き刺した。



パンッと音がした。

床と天井がひっくりかえる。

唇が宙を舞うのが見える。

耳が目の前を通り過ぎる。

鼻にすうっと風が入り込む感触がする。



気持ち良い……

私はあまりの恍惚に気を失いそうになる。



目の前が真っ暗になるのを感じながら私は思う。

友人よ、ありがとう。こんなにも素敵なものを教えてくれて。



明日からが楽しみだ。

私は高鳴る鼓動を感じながら、暗闇の中におちていった。