チュッ


「!!!!」


き、キスされちゃったっ!!


「ミチル…ばかっ!離してよ!」


「むにゃ…」


ぎゅう、とあたしを抱き締めて離さないミチル。


あたしは抵抗するのは無駄だとわかった。


こいつの力、こんなに強いんだ…。


急にミチルが男らしく見えてくる。


わっ!!あたしのばかばか、意識しちゃだめだってば!

とりあえずここから脱出しないと…



「ミチル!起きて!!!」


ミチルは起きる気配がない。

もう。どうすれば…



ふわッ…


なんか…ミチル、いいにおい…


男の腕に抱かれるなんて初めてだから、ミチルがこんなに間近にいてドキドキする。



…もう少しだけ…
こうしてても、いいよね…


ミチルの顔をチラッと見てみた。

あれ?ミチル…
一瞬目が開いてたような…

気のせいか。




ガチャッ



「たっだいまあ~
…ッて…えええ!?!?」


「…お楽しみ中のようだ…」


ガバッ!!!
ミチルが飛び起きた。

「ちッ、ちげ―よ!!!」

「あれ、ミチル、今起きたの?」

「そ…そ―だよ!お前も俺が寝てたからってヤらしいことすんな!!!!」


「なッ!!!!あんたが抱きついてきたんでしょ―が!!
キスまでしたくせに―!!」

なによ!!
ちょっとでもドキドキしたあたしがバカだった―!!!!


「ミチル君…キミは本当に寝ぼけていたのかな?」


「そ―だっつ―の!!なに疑ってんだよ、優!!!!」


「ふふ…わかったよ。
そういうことにしといてやる…」



ミチルの無神経男―ッ!!!!