ボカッ。


あたしは何のためらいもなく、ミチルとかいうやつを殴った。



「いってぇな、なにすんだよ!!」


「うるさいわね!!!あんたみたいなやつは殴られて当然よ!!乙女を傷つけるなんて…最ッ低!」




「…うむ…」

「まあ、美亜ちゃんの話は正論ですよね。」



二人は、あたしたちが口喧嘩をしている様子をどこか懐かしそうに見ていた。


「俺らも老けましたね―♪」


「……精神的に、な………」


そんな会話が交わされていた事を、ガキ二人組が知ることはなかった。




「ハイッ喧嘩そこまで―☆終了!」


「優サン!!あたし、まだ納得いきません!!!こいつ、あたしのこと、ハゲッて…豚とまで言ったんですよ!?」

「ミチル、豚はまずい。謝りなさい。それに、美亜ちゃんはまだハゲてないぞ」


いや、優サン、'まだ'、ッて……(泣)そこは全面否定してほしかったです…


「だって…こいつ、俺のこと…」

「細かい事言ってちゃだめだろ?女の子にモテないぞ?」



何故かミチルの顔が赤くなる。


「うっ…うるせ―!」


なんで?まあ、どうでもいいか。



「と,こ,ろ,で!立ち話してたら美亜ちゃんの体が冷えてしまうし…それに住むところの品定めもしないとな☆」


「オイ!くそ女!家まで案内しろ」



え?

え――――ッ!?