「……なぁに、コイツ」


アスカ様はおさげを高々と持ち上げた。


おさげの先には…………巨大な鮫(さめ)。


この鮫こそが、ここの海に住み着く“凶暴な生き物”なのである。


鮫は、縦になったおさげのせいで口を閉じれず、藻掻いている。


「まぁじ、ウザイんですケドォ危なかったしこのッこのッ」


アスカ様はおさげを激しく上下させ、巨大な鮫を何度も何度も水面に打ち付けた。


その光景の凄まじいこと。


あっという間にのびてしまった“凶暴な生き物”。


何も知らなかったとは言え、アスカ様に食らいつこうとするとは……鮫もその不運を呪うしかないのだった。


「フンッざまぁ」


アスカ様はおさげを元の長さに戻し、プカプカ浮かぶ鮫をゲシッと足蹴にした。


その時、アスカ様の頭上でピコンッと豆電球が光る。


かと思うと、鮫を見てニヤリと怪しく微笑むのだった──……。



〔ナレーターSIDE-終-〕