「……そ、その格好は一体……」


赤い布でガチガチの胸板と急所を覆っているアスカが、そこに立っていた。

布は今にもはち切れんばかりに、ビョーンと横に伸びていて、キリキリと悲鳴が聞こえてきそうだ。


「アハッビキニに、挑戦してみましたァ」


水着が泣いてる!!

可哀想!!


しかも、ビキニって……。

目に毒だ!!


おれはサッとグラサンをかけた。


視界がグレーに生まれ変わり、ショックも和らいだ。


ふぅ〜……間一髪。


おれの目は護られた。


「ユッチ、グラサン似合うッ超カッケェし」

「おぉ……アスカも……うん、スゴイ。さぁ泳いでおいで」

「ハァ〜イ」


ズシャシャシャシャ!!


「……………………うん」


アスカが去った後、当然の如く、おれは砂まみれなワケで。


大体予想はついていたさ。


水じゃなかっただけ、マシな方だ。


ポトリと、砂に混じっていたヤゴが頭から落ちた。