青い空。白い雲。

青い海。白い船。

黄色い砂浜を駆け抜ける、黒いおさげ……。


「海ィ〜ッユッチ、海だよォ」

「アスカ、騒ぎすぎ」

「だってェ、楽しいもんッ」


波打ち際ではしゃぐゴリ……じゃなかったアスカ。

ごめん、ゴリラに失礼だった。


さて、今回おれらは夏休みを利用して海を訪れている。


なぜかって?

そりゃ、アスカが行きたいって言ったからだよ。

いや……おれも最初は反論したさ。


しかし。

「イヤなの……?」ってアスカのおさげがチョロッと伸びたんだ。

チョロッて。

黒い団子が2、3粒増えた。


怖えーじゃん。

断れるわけねーじゃん。


縛られんのはもうマジで勘弁。


まぁ……そんなこんなで、海行きが決定したわけよ。


もちろん人が一人もいない海で……な。

まぁこれは、最低限のマナーってやつだ。

一般人への配慮も欠かさないおれ。


ただ単に、アスカといるのを他の人に見られたくないだけなんだけどな……。


そんなことを考えながらボーッとしていると、アスカの声が耳に届いた。