「ユッチ起きて」

「ぐッ……やめ……」

「ユッチってばァ」

「…………ヴッ……」


アスカ様が呼びかけるも、ユウイチは全く起きる気配がない。


悪夢から中々抜け出せずにいるのだ。


「もう、仕方ないわねェ……」


何も知らないアスカ様は、シュルシュルとおさげを伸ばした。


あっという間に、ユウイチは縄で捕らえられた犯罪者のような姿に。

おさげは恐るべき長さで、彼の体全体に巻き付いている。


「グァッ……!?体が、動かな……ッおさげ……ッ!!」


それでも起きることはなく、更に呻き始めたユウイチ。


おそらく、悪夢と現実の状況にさほど変わりはないと思われる。


「も〜ユッチったら相変わらず、お寝坊さんなんだから寝かせてあげたいケド……仕方ないのよねェ」


涙を飲む気持ちで、アスカ様はおさげに力を込めた。