「ユッチ」

「お前、何しに行っ……うぉ!?」


振り返ると、全身茶一色のアスカがそびえ立っていた。


今度は、顎から体型まで、何もかもがリアルに表現されていて……


「お待たせ」


って本人ーッ!?


「ど……ど、どうしたんだよ、それ……!!」

「チョコレートだよン」

「はぁぁぁ!?」


バッカじゃねーの!?


なに考えてんだよ!?


バッカじゃねーの!?


「……このたった数分間に何があったんだよ?」

「ウフフフフフフフフ……」

「……!?」


茶色いアスカからただならぬ雰囲気を感じたおれは、僅かにたじろぐ。


長い顎からポタポタ垂れ落ちる茶色い液体が、青い絨毯(じゅうたん)に染みを作っていく。


「あ〜ぁ……溶けてきちゃったぁ……早くしなきゃ……ね?ユッチ」


アスカは口の両端をグイッとあげて、ニヤリと微笑んだ。


「や、やめろ……!!」

「ウフフフフフフフフ……」


ポタッ……ポタポタッ……。