おとといは確か、“バレンタイン・パニック”が起こった日。


『──店に売られてるチョコというチョコが無くなってるらしいぜ──……』


昨日のセイヤの言葉が、頭の中で甦る。


……あぁ……。

わかってしまった。


「お前かよ……」


ガックリとうなだれるおれ。


まさか、彼女が犯人だったなんて……。


どうすんだよ……ヤベェだろ。


女の子全員に土下座するべきか?


『すいません、おれの彼女が犯人でした』


……いや、こんくらいで許してくれるわけがねぇ。


マジ、どうすんだよ……。


「ユッチ大丈夫だよォ」

「は……?」

「大丈夫元気だしてッウチ、今からチョット行ってくるからァ待っててね」

「え、行くってどこに──……」


ビュォォォンッ!!


聞き終わる前に、アスカは光速を越える早さで部屋を出ていってしまった。


……もしかして、謝りに行ったのか?

でも、んなわけねぇよな。

おれまだ何も言ってねーし……。


──じゃあ一体、何をしに?


「……嫌な予感がする」


……とりあえず、人型チョコと一緒にアスカの帰りを待つことに。



──数分後。


それは突然現れた。