病院から出ると、ユッチの小さな後ろ姿が見えた


足、はや


「待ぁぁぁぁぁぁっとぅえぇぇぇぇぇぇぇッ」


逃がさない


ウチは、ユッチに会いにきたの

ユッチに……告白しにきたの


「ユゥゥゥゥゥッチィィィィィィィィィィ」


──ヤバイ

どんどん離されてるし


ウチ、運動は苦手なのにィ


こうなったら…………


──ビュンッ!!


ウチは、おさげをユッチ目がけて伸ばした


「ッ!?ウワァァァァッ!!」


そして見事

ユッチ、確保ォ


「ウフフフフフフフ……」

「おさげが……伸びた……!?」


ユッチはウチのおさげに体を縛らたままコンクリートに倒れこみ、ウチを見上げる。


やっぱ、イケメン……


真っ直ぐな黒髪に、アーモンド型の黒目がちの瞳。

程よく高い鼻、薄めの唇。

高い身長と、筋肉のついた身体。

低音の声に、男らしい口調。


モロ、ウチのタイプ


「髪を伸ばせるのは、アスカちゃんの得意技だよン」

「と、得意技……!?」

「うんッ……それよりユッチ、話があるんだけど……」