そう思ったが、声には出せなかった。


だってコイツ、ガタイよすぎなんだって……。


外国のラグビー選手よりすごいんじゃねぇか?


確実に、おれよりは凄い。


コイツに比べればおれなんかガリガリじゃねぇか。


この医者なんか、つまようじ並だな。


「ユッチ」


不意にあだ名を呼ばれ、全身に鳥肌がたつのがわかった。


立ったままおれを見つめる、威圧感たっぷりの女。


アスカ……。


写メを……交換しておくべき……だった……。


後悔しても、もう遅い。





──思わぬ出会いだった。


この日、確かに革命が起きたんだ。


メールが、リアルに変わる。

ゲームが、サバイバルに変わる。



だけどこの時おれは、アスカの本当の恐ろしさを、これっぽっちもわかっていなかったんだ──……。





フランスパン革命【完】