「──ヴッ」


突如アスカのおさげが伸びてきて、おれの首を締めあげた。

アスカは俯いたまま。
ずっと無言。超無言。


部屋にはテレビから流れる笑い声と、おれの呻き声が響いている。


ヤバイ。
殺られる……。


「……や、やめっ……グッ」


ギリギリと喉を潰され、声が出ない。

呼吸も満足に出来ない状態。


決死の思いで足をばたつかせていると、宙に体を持ち上げられた。おさげで。


この細いおさげのどこにそんな力があるというのか……謎だ。


そしてポソリとアスカが呟いた。


「別れるくらいなら……吸収してやる」


「……っ」


吸収……?

ってなんだ……?


あっという間に身体中におさげが巻き付いてくる。


薄ら目を開けると、アスカが冷たい目でこちらを見ていた。

……が次の瞬間、ニヤリと気味悪い笑みを浮かべた。


「ウチの髪の養分となれ」


……は?髪?養分?


「ユッチ、バイバイ」


「──ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!──……」


おれはアスカのおさげの中へと消えていった……。



【完】