「……チッ」


おれは母ちゃんに聞こえないように小さく舌打ちをして、またきな粉餅にがっついた。


バクッ、びょーん!!


【ラッキーワードは……】


モチモチモチモチ……。


【ズバリ!『イケメン』!!】


モチモチモチモチ……。

モチモチモチモチ……。

ゴックン。


「ごっつぉーさん」

「いってらっしゃい、イケメン!」

「…………」


なんか今日は、いいことが起きるような気が微塵もしねぇ。


ニヤニヤ顔ではやし立てる母ちゃんを無視して、おれは家を後にした。