だから緊張しながらも

こうして返事(反応)が出来てたこと自体、

今思えば奇跡に近い。

ということはこの時すでにもう

彼女に好意を抱いていた、

のかもしれない。

自分で自分のとった行動に驚いていた。

こんな綺麗な子から

挨拶されるなんて

新学期早々今年の運という運を

使い切ってしまったような気がして

ちょっとだけ不安になった。


それからは席が隣りとゆうこともあってか、

日が経つにつれ

次第に彼女との会話は増えていった。

ほぼ毎日

半径1メートル以内に彼女はいた。

そう、僕のすぐそばに。

季節は陽気な春から、

浮かない梅雨を経て、

灼熱の夏になりつつあった。

ここ最近、

地球温暖化の影響で

去年よりも暑いような気がする

のは僕だけだろうか。

もしかしたら、

あと百年後には

日本の夏は四十度を超える日が

当たり前になるかもしれない。

そう思うとなんだか急に

子孫たちに申し訳ない気がした。

…そんな大それたことを

考えてしまう癖(妄想癖?)が

僕にはあった。