35番―森崎葉一―。

…(笑)

見慣れ過ぎた名前が

そこには書かれていた。

これでなんと

小1から8年連続で

幼なじみと一緒のクラスになったことになる。

そんな偶然に少しニヤついていると、

「またやな。」

と、どこからともなく聞き慣れた声がした。

ビクッ!

っとなって、反射的に振り向くと

背後には消えたはずの

葉一が腕を組みながら立っていた。

いつの間に。

「あぁ、そやな。なんかこうも続くと僕と葉(僕は幼なじみのことをこう呼んでいる)って、運命の赤い糸で結ばれてるかもね」

自分の小指を見ながら、そう言うと、

「ないない。ありえない。そんなことは断じてありえません。だって俺は女の子しか愛せませんから。」

と眼前の葉一は何故かムキになりながら、

少し怒ったような口調で言った。

すかさず、

「いや、そんなんわかってるって。冗談、冗談。マイケル・ジョーダン。」