『千秋…』

あたしに気付く恵一。

『ご、ごめん

 通り掛かったら、その…』

焦る。

なんか、のぞき見しちゃったみたいで。

恵一は優しい顔をしていた。

『あぁ、びっくりしただけで。

 別に謝らなくても』

なんか、普段より優しい恵一に

赤くなってしまう。

うまく言葉をかけてあげられなくて

すたすたと歩く恵一に、

ただついて行くだけのあたし。

『千秋、飲むから付き合え…』