音が私を支配する。


私はメビウスの輪の中にいるのだ、たった一人で。
確か周りには人が大勢居た気がするのに。
私は頂点に立つ人間だった気がするのに。
でも…


嗚呼、捨て難いこの孤独。
嗚呼、捨て難いこの絶望。
何と言う快感なのだろうか。










カタカタと針が動く。
私もカタカタと動く。


嗚呼、針に支配されて居るのだ。







嗚呼、嗚呼、メビウスの輪から墜ちる。
嗚呼、嗚呼、快感が逃げ去って逝く。









END