「まぁ、いいや・・・
ごめんね。なんか送らせちゃって」


「いーよ。坂井さんあのままほっといたら
おかしな事考えてそうだったし」


「おかしなことって・・・・」


「“どうせあたしなんかー!!”みたいな?」




やたらとその部分だけ
声を高くした佐野亮太。


あたしの真似してるつもりだろうか・・・




「坂井さんは可愛いよ」


「またそんな・・・・」


「言ったでしょ。俺は思ったことを言うの
なんってったって、坂井さんは守ってオーラでまくりだからね」




あ・・・・・



不意に佐野亮太の言葉を思い出す。



『俺はちっこくて、
守ってやりたい感じの奴が好み』



「坂井さんのこと。
嫌いな奴いないんじゃないかな。

少なくとも、俺は結構好きだし。じゃーね」



あたしに背を向けて、佐野亮太は帰っていく。




ずるいんだ。
こんな甘い言葉を残して帰るなんて。


傷ついてるあたしを、
そっと抱きしめるような言葉。




佐野亮太の優しさに浸ってるみたい。