「アイツは、最初からあたしと
別れるつもりで付き合ったんだよ?
付き合ってたときあたしに言った言葉も、
あたしにしてくれたことも・・・・・
全部が、嘘だったんだからっ・・・・・・!!」
振り切るように出した声。
佐野亮太に届かないかも知れないような、
そんな聞き取りにくい声だった。
「それを、今の彼女に笑い話にしてた。
アイツにとってあたしはその程度だったのっ・・・!」
全て忘れたかった。
全て吐き出して、もう終わりたかった。
終わりにして、
いい加減思い出にしたかった。
「別にいいじゃん」
「・・・・・え?」
予想してなかった佐野亮太の言葉に、
顔を覆っていた手を離す。
「世の中にそーいう奴もいるのは
おかしいことじゃない。
それにアイツだってさ、
悪いと思ってるから彼女に話したんだろ。
本当に悪いと思ってるから、
笑い話にして思い出にしたかったんだよ」