ちらりと佐野亮太の顔を盗み見る。
少しう~んと考えた後、
「俺の親友のたった1人の、
女友達の親友だから」
と言って、またにっこり微笑んだ。
肩にかけてる鞄がずれ落ちる。
なんだそりゃ・・・・・
ぽかんとしながら、
ずれ落ちた鞄をかけなおす。
「で?」
「は?」
「坂井さんはさ。
あいつらに何された訳?」
さっきまでのへらへら笑った顔じゃない。
真剣に、あたしを見つめてくる。
「別に・・・・・」
言いたくない。
愛にだって言ってないもん。
こんな初めてしゃべる人になんか・・・
「なんで、俺は言ったじゃん。
それに、知らない人だからこそ言えることがあるんじゃない?」
“あたしの心を読んだの?”
そう思ってしまうかのような言葉。