ふわっとあたしの手を取り、
包み込むように後ろから抱きしめられる。
え・・・・・・?
後ろを見るとにっこり微笑む、
『佐野亮太』。
なんで・・・・・・
何を言っていいかわからなくて、
ただ見つめるしか出来ないあたし。
「あ、あの・・・・」
「ちょっとあんた何? 彼氏?」
「なに? この人たちと知り合い?」
女の子を無視して、
あたしに問いかけてくる。
いや、それよりなんで・・・・
「無視してんじゃねーよ!!」
怒った女の子が怒声を飛ばす。
それをちらりと見つめて、
ふんっと鼻で笑うと
「アンタ今男出来ないって言ったけど、
俺はちっこくて守ってやりたい感じの奴が好み。
お前みたいな香水くさくて、
男でも投げ飛ばしそうな女は無理」
しれっと言い放った佐野亮太。
女の子はワナワナ震えて、
今にも飛び掛ってきそう。