“面倒くさい”
その言葉に、
後ろにいたアイツが反応する。
「おいっ、ちょ、やめろ!」
「え~? いいじゃん別にぃ」
「・・・・・・どういうこと?」
静かに、ゆっくりと問いかける。
あいつに言ったつもりだったのに、
目の前の女の子がしゃべりだす。
「3ヶ月もつきあってたのに、
なぁ~んにもしなかったそうね?
そんな硬っいの面倒くさいってさ」
勝ち誇った笑みを浮かべながら、
あたしの顔を覗き込んでくる。
「イマドキそんなの流行らないから。
そんなんじゃ男も出来ないよ? きゃはは!」
その言葉に、顔がカッと熱くなる。
女の子の甲高い笑い声が、あたりに響く。
鼻の奥がつんとして、
視界がだんだんかすんでくる。
なんだか今にも泣きそう。
こんな奴らの前で泣きたくなんかない。
もう涙が零れそう。
その瞬間、
「ごめんね? 待った?」