愛が何も言わないから、
あたしも何も言わないけどね。
要君か、小倉君か・・・・・・・
どっちだろ。 まぁ、要君かな。
もろ、愛のタイプだし。
でも小倉君もどうかな~?
帰り道1人ニヤつきながら、
いつもは通らない駅前にあたしはいた。
たまに1人で、
どこかに出かけるのが好きだった。
理由はなくても、
行くだけで何かありそうだから。
この日もぶらぶら歩いて、
何をするわけでもなく帰る。
・・・・・・・・・ハズだった。
なんで? 何でココにいるのよ。
反射的に俯いて下を向いた。
心臓が狂ったように暴れだす。
それは、決して“トキメキ”ではなく、
“動揺”したからだと思う。
気持ち悪い汗が、あたしの頬を伝う。
もう、会いたくなかった。
顔も見たくなかった。
前から歩いてきたのは、
卒業式の日に別れた“彼氏”だった。