アレは確か・・・・・
頭の中の名前ノートをペラペラ捲る。
ある程度の名前は覚えてる。
それは男女関係なく覚えていて、
それがあたしの特技でもある。
しばらくして思い出した。
『佐野亮太』
同じクラスだったような気がするぞ?
あの気さくな性格と、
かわいい笑顔にモテ要素を感じるわね・・・・
指をあごに当て、
う~んと後姿を見送った。
ま、あたしには関係ないけどね。
くるりと前を向き、
鞄を肩にかけなおして家路に向かった。
このときあたしは、
これから始まる“恋の予感”
に気づいてはいなかった。
バスケ部見学から数日。
これといって何をするわけでもなく、
ただただ毎日同じ日が続いていた。
あ、あたしの予想では、
愛が恋しちゃってるっぽい。