誰かの足につまずいて、
体が大きく前に倒れる。
「わわっ」
転ばないように必死に踏ん張るも、
人ごみから外れてどんどん前へ。
もう足が耐えられない。
そのとき
「あぶねっ」
あたしの体が誰かによって支えられる。
地面のまでの差、約30センチ。
ひゃぁ~、ギリギリだ・・・・・
「大丈夫?」
「は、はい。なんとか」
お腹を支えてくれてる手が、
だんだんとあたしの体を元の位置まで戻してくれる。
「本当。すみませんでした・・・」
「これからは気をつけてね」
にこっと笑ったその人は、
そのままあたしの前からいなくなった。