軽く笑われた後、
佐野君は口を開いた。


「愛ちゃんがどうするかは、
愛ちゃんが決めることだし

俺はなんとも言えないよ」


「そっかぁ・・・・・・」


やっぱりあたしが決めるしかないのか。


2人少し離れて座っている非常階段。
座りながら、あたしは錆びれた部分を見つめた。


「でさ。優がほんとに波ちゃんを好きって言った?」


「なんか・・・・好きか嫌いかって聞いたら、
最初は“真ん中”で、どっちかって聞いたら“好き”って・・・・・・」



「ぶふっ!!」




佐野君はいきなり吹き出して、
あたしに背を向けた。


あれ? あたしなんか変な事言った?



「ど、どうしたの?」



少しどもりながら聞いても、
佐野君は笑いっぱなしだし・・・・・


「ふふっ・・・ごめん・・・・・
ちょっとつぼった・・・・・ははっ!


大丈夫だよ!!」


「へ?」


何が?そう聞こうとした前に佐野君は、


「俺が知ってる中で、
分かりやすい奴№2は、優!

僅差で愛ちゃんが1番!!」