僕は夢のことを思い出した。
近所の公園がくっきりと浮かんだ。

「何処に行くの」
「…………」

ママは何も答えずにただ笑った。
優しく頬にキスをしただけだった。
僕はギュッと裾を掴んだ。

「僕、パパとも行きたいな」

ママは悲しそうな顔をした。
ソファに座って冷たいココアを貰った。

でもそれだけで、僕は騙された。