「ひゃっ」 そのとき私は特に何もないその道で転び、見事にクッキーはアスファルトに散らばった。 つま先で引っ掛けているローファーは左足から離れて前方に飛んで行った。 「ったぁ~」と言いながら手を払って起き上がり、ローファーを履いた。 彩紗は声を殺して爆笑していて、私はそれを睨みながらクッキーを拾い、 「ホレホレホレ」と彼女に差し出した。