茉莉恵は相変わらず遅刻や欠席が多かったけれど、
理科の授業が1時間目にあると、誰より早く席に着いてノートを広げていた。

ブレザーの上からコートを羽織り、手袋にマフラーをしても足りないくらいに冷え込む1月も下旬になるとその頃には、
茉莉恵は放課後のほとんどを理科室で過ごしている様だった。

そして彩紗は犬かとおもうくらいに平気な様子で毎日グラウンドを駆けて白い息を吐いていた。

私と言えば対馬先輩と過ごせる残り少ない学生生活を惜しみ、
毎日生徒会室に通って先輩のオススメする本を読んでいた。

更にその頃は生徒の大多数に興味のない生徒総会が行われて、
私は立候補すると、あっけなく時期生徒会副会長に当選していたのだった。