「いるよ」

「まじか!誰?だれ?なんて人?」

私は嬉しくなって身を乗り出した。

すると彩紗は眉間にしわを寄せて、テーブルについていた肘をあげ、
アイスを自分のほうに寄せるてから一呼吸置き、口を閉じて笑った。

そして、呼びかけるようにして言った。


「小吉(こきち)って言うんだ」