「今週のオリコン1位はー」
私が茶化すように言ったのは見事にスルーされ、
「そういうこと言うような子に興味があるのはロリコンて言うの、
けど私はあんたたちとは違うから、シンちゃんはそうじゃないの」
そう言って茉莉恵はブレザーのポケットから携帯電話を取り出した。
少し気まずい空気に私は黙り込んで公園の中を見渡すと、
40代を過ぎたように見えるサラリーマン風の男が一人ベンチに腰掛けていた。
その目線の高さは明らかに、ブランコに腰掛けた私と茉莉恵の膝元付近だった。
彩紗は不機嫌そうに茉莉恵のほうを見ながら、立ち上がって私の横に歩いてくると、
「ウチらと茉莉恵のなにが違うのさ」と言った。