1時間目に理科の試験があり、2時目に歴史のテストがあった。
翌日の数学の試験に備えて鞄に数学の教科書を入れて教室の後ろに向かう。
すると彩紗が「ぎゃーずるい」と言いながら、
朝茉莉恵が手にしていたプリントを持って騒いでいた。
「どうしたの」
私はバーバリーのネイビーのマフラーを首元に丁寧に形作りながら言った。
「ももちゃん、この女、売女だよ」
彩紗がそう言うとサッとそのプリントを取り上げて茉莉恵が、
「うるさい、バカ彩紗」と言った。
「え、なになになにしたんすか、援交すか」
すると茉莉恵が鋭い表情で「シっ!」と人差し指を立てた。
「理科の前島に問題教えてもらったってさ」
彩紗が言うと茉莉恵はプリントを破りながら言った。
「化学部の特権ですぅ、放課後勉強教えてもらってたしぃ」
「証拠隠滅してるよ、ももちゃん生徒会委員として何かペナルティ与えないの?」