太陽が頭の真上から少し傾いてくると大分気温も上がり、
私はグレーのパーカーを脱いで腰に巻きつけた。
「そういえばさ、学校終わるの早かったよね」
私がそう言って雛子にもらった水のフタを開けようとキャップをひねると、
ペットそのものがよじれてペシャっと音を立てた。
その感触からすると、こちらのペットボトルは、
日本のものよりも少し薄く作られているらしかった。
「うん、2コマ目は補講だったから、出なかったんだ」
「ふーん、てかそれにしても英語の苦手だったひーたんを思うと不思議だよね。
大学だって、外国語学部に受かったって聞いたときはびっくりしたし」
「あれはAO入試だったから、筆記試験はしなかったんだよ、まぁでも、奇跡」
「ハワイじゃ私が通訳してたのに、いまじゃ、ねぇ」