ひたすらに青く高い空を切り取るようにして、
たくさんの高層ビルが立ち並んでいた。
私と雛子は地下鉄1番線のSouth Ferry駅で下車をし、
バッテリーパークへ向かって歩いていた。
ニューヨークいちのランドマーク、自由の女神像のあるリバティ島へは、
その公園からフェリーで向かう。
公園内には人と緑が溢れ、その中をぐるりと一周するように、
フェリー乗り場への行列がつくられていた。
「ああお腹すいた」
雛子はそう言うと、照れたように笑った。
「食べてないの?」
私が聞くと何も言わずにくるっと回って行列の先を見つめた。
雛子は昔からよく食べる。
その彼女が朝から学校に行っていて食べていないわけがないな、
と思い私は静かに笑った。