そういった行為そのものに対しての経験値がなく免疫も皆無だったこの頃の私は、
母親の恋人と関係を持つ、という乱れた風紀に嫌悪感を覚えるというより、
「そういうことをしたのだ」と言う【非日常】だけが頭を巡っていた。


明日、茉莉恵の顔をまともに見れるだろうか、
そんなことを考えていたらノックもなく部屋のドアが開けられ、

「ご飯できたわよ」

と、お母さんの顔がのぞいた。